コラム  ・千の風   
千の風
作者不詳のまま、欧米で語り継がれている一編の短い詩があります。

アイルランド共和軍のテロで亡くなった24歳の青年が「ぼくが死んだときに開封してください」と両親に託した封筒に残されていたという詩です。米国では、2001年9月11日の同時多発テロで犠牲になった父親をしのんで11歳の少女が朗読し、映画監督ハワード・ホークスの葬儀や、女優マリリン・モンローの25回忌でも朗読されていたという詩です。


わが国では、1995年に「あとに残された人へ 1000の風」(三五館)として出版され、最近では、作家で作詞・作曲家の新井満さんが曲をつけて、歌っています。


ネット検索してみると、多くの方が色々に訳詞されています。特に、”When you awake in the morning hush, I am the swift uplifting rush of quiet in circled flight.”には、色々な解釈があるようです。


朝日新聞の天声人語(2003年8月28日)で紹介されて、すでにご存知の方が多いと思いますが、心に残る詩なので、あえて自分流の訳詞にトライしてみました。




          A THOUSAND WINDS


    Do not stand at my grave and weep,
    I am not there, I do not sleep.


    I am a thousand winds that blow,
    I am the diamond glints on snow,
    I am the sunlight on ripened grain,
    I am the gentle autumn's rain.


    When you awake in the morning hush,
    I am the swift uplifting rush
    of quiet in circled flight.
    I am the soft star that shines at night.


    Do not stand at my grave and cry.
    I am not there, I did not die.


         (Author Unknown)



 


                 千の風


    私のお墓の前に立って、涙を流すのはやめてください
    私は、そこにはいないのですから
    私は、眠ってなんかいないのですから


    私は、千の風になって吹き渡っています
    私は、雪の日にはダイヤモンドダストとなってきらめいています
    私は、太陽の光となって豊穣の穀物を照らしています
    私は、秋には穏やかな雨となって降り注いでいます


    あなたが、朝のしじまのなかで目覚めるとき
    私は、鳥になって、静寂の帳(とばり)を空高く舞い上げています
    そして、夜には優しい星となって輝いています


    だからどうか
    私のお墓の前に立って、泣くのはやめてください
    私は、そこにはいないのですから
    私は、死んでなんかいないのですから


              ワシモ(WaShimo)訳 





※ 訳詩を引用される場合、出典明記のうえ引用下さい。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 参考になるサイト
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・千の風になって− 講談社BOOK倶楽部
 → http://shop.kodansha.jp/bc/books/topics/thousand_winds/
・千の風になって− 新井満
 → http://www.twin.ne.jp/~m_nacht/



  2003.11.26 
あなたは累計
人目の訪問者です。
 − Copyright(C) WaShimo All Rights Reserved. −