機械技術者の自己啓発支援講座(第16回)
機械技術者のための
 
工業力学入門
 □ 演習問題(力の大きさと向きを求める問題3)
機械技術者が日常の業務を進める上で必要となる力学の具体的で実践的な活用方法の習得を目指します。
先回に続き『力の大きさと向きを求める問題』です。力の大きさと向きを求める作業は、機械設計を行う上で基本となる作業です。
 
〔演習問題〕

【問題3】図に示すように、クレーンで質量m=850kgの荷物を吊り上げる。部材1とロープ1の角度がそれぞれ図のように、35°、68°になったときの、部材1およびロープ1に働く力の大きさと向きを下記の手順で求めなさい。
(1)荷物に作用する重力Wはいくらですか。
(2)ピンBに作用する力を図示しなさい(部材1、ロープ1に働く力をFa、Fbとする)。
(3)xy座標を設定しなさい。
(4)それぞれの力のx方向およびy方向の分力を図示しなさい(値も書き込む)。
(5)x方向およびy方向の力のつり合い式を記述しなさい。
(6)Fa、Fbの値を求めなさい。
(7)答え(部材1、ロープ1に働く力の大きさと向き)を書きなさい。

                

〔解答〕
 
(1) Wmg850kg×9.81msec2 =8338.5N
  
(2)〜(4) 図を参照。
       
 
(5) x方向の力のつり合い式(狽ex=0)
           Fasin35°−Fbsin68°=0            (式1)
 
   y方向の力のつりあい式(狽ey=0)
           Fcos35°−Fbcos68°−W =0       (式2)  
 
(6)
(式1)および(式2)は、それぞれ次式のようになる。
 
           0.5736Fa−0.9272Fb =0            (式1´)
           0.8192F−0.3746Fb =8338.5N        (式2´)  
 
(式1´)より、 Fa =0.9272/0.5736Fb =1.6165Fb
これを(式2´)に代入して、
 
         0.8192×1.6165Fb −0.3746Fb =8338.5N
                       0.9496Fb =8338.5N
 
         ∴ Fb =8781N =14195N 
 
                    Ans 部材1に働く力  14,195N (右上より左下に向かう方向)
                        ロープ1に働く力  8,781N (左下より右上に向かう方向)
                     
  (※ 部材に働く力は、部材がピンBに及ぼす力と向きが逆方向になります。)
 
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