機械技術者の自己啓発支援講座(第3回)
機械技術者のための
 
工業力学入門
 □ 演習問題(力と重さ)
機械技術者が日常の業務を進める上で必要となる力学の具体的で実践的な活用方法の習得を目指します。

〔演習問題〕

【問題1.3】  240m/minで進んでいる物体を、一定の加速度で5秒の間に 1200m/minまで加速したい
(1)そのときの加速度はいくらですか。
(2)物体にいくらの力を加える必要がありますか。但し、物体の質量を10kgとする。
 
【問題1.4】  質量60kgの物体の重さ(重量)はいくらですか。
 
【問題1.5】  床の上に、つぎの物体が置かれている。それぞれの物体の質量、重量および物体が床に及ぼす力はいくらですか。
(1)縦250mm、横320mm、高さ400mmのアルミニウム
(2)直径250mm、長さ850mmの炭素鋼の棒
(3)外径が300mm、内径250mm、長さ1200mmの銅のパイプ
 
【問題1.6】  高層ビルの屋上から、物体を自然落下させた。8秒までの各時間における物体の速度を秒速と時速で計算して、 下表に記入しなさい。

時間t(sec)

速度v

m/sec

km/h

0

 

 

1

 

 

2

 

 

3

 

 

4

 

 

5

 

 

6

 

 

7

 

 

8

 

 

 
【問題1.7】
 スーパーマーケットで肉を買った。 包装に「内容量1.2kg」というシールがはってあった。これはどういう意味なのか考えなさい。 また、この肉の重さは、いくらだと言えばよいか。

〔解答〕

問題1.3】 
(1)V1=240m/60sec=4m/sec、V2=1200m/60sec=20m/sec、 t=5secだから、式(2)より
   加速度a=(V2−V1)/t =(20m/sec−4m/sec) /5sec =3.2m/sec2
(2)質量m=10kg、加速度a=3.2m/sec2であるから
   力=質量×加速度=10kg×3.2m/sec 2=32N
                                                 Ans 3.2m/sec2、32N
 
【問題1.4】
  重さ(重量)=質量m×重力加速度=60kg×9.81m/sec 2 =588.6N
                                                 Ans 588.6N   
       
【問題1.5】
(1)縦250mm、横320mm、高さ400mmのアルミニウム
  体積V=250mm×320mm×400mm=3.2×107mm3
  質量m=体積V×密度γ=3.2×107mm3×2.7×10-6   kg/mm3=8.64×10kg=86.4kg
  重さ(重量)W=質量×重力加速度=86.4kg×9.81m/sec2 =847.6N
  床に及ぼす力N=重さ(重量)W=847.584N
 
(2)直径250mm、長さ850mmの炭素鋼の棒
  体積V=πd2L/4=3.141592×(250m)2×850m/4=4.1724×10 7mm3
  質量m=体積V×密度γ=4.1724×107mm3×7.85×10-6   kg/mm3=32.753×10kg=327.53kg
  重さ(重量)W=質量×重力加速度=327.53kg×9.81m/sec2 =3213.1N
  床に及ぼす力N=重さ(重量)W=3213.1N
 
(3)外径が300mm、内径250mm、長さ1200mmの銅のパイプ
  体積V=π(D2−d2)L/4=3.141592×{(300mm)2 −(250mm)2}×1200mm/4
      =2.5918×107mm3
  質量m=体積V×密度γ=2.5918×107mm3×8.9×10-6   kg/mm3=23.067×10kg=230.67kg
  重さ(重量)W=質量×重力加速度=230.67kg×9.81m/sec2 =2262.9N
  床に及ぼす力N=重さ(重量)W=2262.9N
 
                                       Ans (1)86.4kg、847.6N847.6N
                                          (2)327.53kg、3213.1N、3213.1N
                                           (3)230.67kg、2262.9N、2262.9N
 
 
【問題1.6】 重力加速度
は、9.81m/sec2 であるので、1秒間に 9.81m/secずつ速度が増えていく。

時間t(sec)

速度v

m/sec

km/h

0

0

0

1

9.810

35.316

2

19.62

70.632

3

29.43

105.948

4

39.24

141.264

5

49.05

176.58

6

59.86

215.496

7

68.67

247.212

8

78.48

282.528

        ※ 物体の速度は、落下を始めて8秒後には新幹線の最高速度ぐらいに
          達することがわかります。
 
【問題1.7】
    「内容量1.2kg」という場合、kgは質量の単位であって、 重さの単位ではありません。従って、重さ1.2kg
   の肉という表現は、国際単位のルール からいったら正しくありません。そこで、質量1.2kgといえば、正しい
   言い方ですが、物理 を習っていない人には一般的ではありません。そこで、肉の”かさ”という意味で、
    内容量という言い方をしているのだと思われます。
     重さ=質量×重力加速度=1.2kg×9.81m /sec2 =11.772Nとなります。
 
〔注記〕
    上の計算で、計算途中の数値、あるいは答えを小数第何位で 四捨五入するかはその計算が要求する
   精度によって変わります。今の段階では、 あまりこだわらないで結構です。
     

 
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